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2008年8月

R2_19話視聴後考察「偽りの兄弟」について

 
今日は19話で亡くなったロロとルルーシュの関係について考察します。

14話冒頭のシャーリー死亡後の二人の会話おさらい
・・・シャーリーを殺した理由を嘘でとりつくろうロロと、本来ならブチ切れていて当然なのによくやったと嘘をいうルルーシュ・・・
ロロ「危なかったね、兄さん。シャーリーの記憶が戻ってたんだ!
    拳銃を手に兄さんを追いかけていたから」
ルル「そうか。お前がシャーリーを」
ロロ「うん。そうだよ、兄さんの敵は僕が排除しなきゃ」
ルル「よくやってくれた。 お前がいなかったら俺の秘密が皆にばれる所だった」
ロロ「だって、もう兄さんだけの秘密じゃないもの」
ルル「そうだな、じゃあ  ギアス嚮団をぶっ壊しに行くか!」
ロロ「え?」
ルル「黒の騎士団で奇襲をかけ、ギアスの源を殲滅する」
ロロ「・・・ダメだよ兄さん。嚮団にはまだギアスの使い手が」
ルル「逃げているだけでは明日は来ない。それに俺達が幸せになるため」
ロロ「・・僕たちが?」
ルル「そうだ!V.V.はお前も疑っている」
ロロ「・・・」
ルル「怖いか?V.V.が」
ロロ「だって、僕を拾ってくれた人だもの。でも兄さん。信じていいの?」
ルル「当たり前だろ?たった二人の兄弟じゃないか。」

ロロの言った「シャーリーがルルーシュの敵」というのは真っ赤な嘘。嫉妬&ナナリーを取り戻してあげたいというロロの居場所をなくすような行動をとろうとするシャーリーが邪魔になったので殺したのが本当のところでしょう。
また、ルルーシュのいう「よくやった」や「(俺のことを信じていいのは)当たり前だろ」というのも真っ赤な嘘・・シャーリーを殺されてVVにロロをぶつけて爆死させようと内心ハラワタ煮えくり返っているのに・・。
お互いに大きな嘘をついているという意味で、本当に「偽りの兄弟」ですね・・。

 
 

そして19話ではとうとうルルーシュの本音が・・・
ロロ「兄さんには僕がついているから!」
ルル「どうしてお前が(ロケットを)持っているんだ?!」
ロロ「え?」
ルル「これはナナリーにあげるつもりだったんだよ!ナナリーに。
        お前なんかがナナリーの代わりになるものか! この偽者め!!
       俺はお前が嫌いなんだよ。大嫌いなんだよ!何度も殺そうとして、
       ただ殺しねただけだ。」

ロロ「兄・・・さん」
ルル「出て行け!二度と俺の前に姿を見せるな!」

だがルルーシュの窮地を救いにきたのはロロだった・・!
ルル「もういいんだロロ。俺はもう!」
ロロ(僕はずっと、誰かの道具だった・・。僕は嚮団の道具で、その次は兄さんの・・。
   確かに僕は兄さんに使われていただけなのかもしれない。
   でも、記憶が戻る前のあの時間、学園で過ごしたあの時間だけは
   本物だった!あの思い出のおかげで、ようやく僕は人間になれた!
   だから、もう。僕は・・・!)
ルル「やめてくれ!もうギアスを使うな!死にたいのか」
ロロ(道具じゃない!これは、僕の、意思なんだから!!)


ロロ虫の息、兄弟の最後の会話・・・
ルル「ロロ、どうして俺を助けた?俺はお前を・・・」
ロロ「兄さんは嘘吐きだから」
ルル「え?」
ロロ「嘘、だよね。僕を殺そうとしたなんて・・・。僕が嫌い、なんて・・・。」
ルル「・・・そうか、すっかり見抜かれてるな。さすがは俺の弟だ。」
ロロ「そう、だよ。僕は兄さんのことなら、なんでも 分かる、か……」
ルル「ああ、そうだよ!お前の兄は嘘吐きなんだ」

最後の会話、いろいろな解釈ができますね。19話のルルーシュの怒りで14話冒頭のルルーシュの言葉が嘘だとわかったロロ。そんなロロ自身も最後まで嘘を突き通します。時間を止めている間の独白で、本当はルルーシュに利用されていたことに気がついていたことが明らかに。しかし、「自分は兄に好かれていると信じ込んでいる弟」という嘘を最後まで演じました。それを受けて、お前が嫌いだったなんて嘘だよ、と優しい嘘をついてあげるルルーシュ・・。自己中な嘘で相手をあざむき合っていた偽りの兄弟の最後の時間にあったものは優しい嘘だった・・・。

嘘によって作られ、嘘によって保たれていた関係。しかし嘘の中から生まれた真実もあった。最後の時、少なくともロロはそう思っていたかった。だから利用されていることや本当は嫌われていたことを信じていないという嘘をつき、ルルーシュにも「弟思いの兄」という嘘をつくことを欲し、ルルーシュもそれに応えた・・。嘘の中にこそ存在し得た真実を守るために、最後も嘘で終える・・。ルルーシュも嘘の中にも真実が存在していたことを後で実感する・・・。この物語において「嘘」というのは重要なキーワードになっているようです。谷口監督は二元論では語れないことを表現したいそうですが、偽りの弟との関係はルルーシュの「嘘」についての価値観に影響をおよぼす出来事になり得るのでしょうか。切ない&見終わった後にいろいろ考える余地を与える、うまい脚本ですね。

 
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シャーリー死のシーンと絵画『オフィーリア』

コードギアス1期で父を殺され、ギアスに翻弄されR2の13話ではなんと殺され死亡してしまった悲劇の少女シャーリー。シャーリーがオフィーリア的なキャラクターとして作られているという考察はこちらの記事でしていますが、今回は彼女の死のシーンとミレイ作の絵画『オフィーリア』との共通点を考察していきたいと思います。

倒れている「誰か」を見つけ、しばし無言で見つめるルルーシュ。展開が急ぎ足であわただしかった13話の中で、倒れている人物がシャーリーと分かるまでまったくの無音、無言の間が比較的長くとってあり、衝撃と悲劇性をうまく出しているシーンだと思います。

Hakkenn_9 (誰か倒れている・・・誰だろう・・・?)
とても悲しく、とても衝撃的なシーンではありますが、この大きい空間が煙幕で白く霞み、幻想的な雰囲気を醸し出していてある種の美しさも感じさせます。


でもこのシーン、この構図、どこかで見たような気が・・・?コードギアス1期のテーマである『ハムレット』の一場面、オフィーリアが亡くなる悲劇的な場面を美しく描いた傑作絵画、『オフィーリア』に似ている!?

こちらがミレイ作の『オフィーリア』。『ハムレット』のオフィーリアを描いた絵画の中でまず第一に名前があがる有名な絵画です。

Ofi_3 ジョン・エヴァレット・ミレイ作『オフィーリア』

~そうして、オフィーリアはきれいな花環をつくり、その花の冠を、しだれた枝にかけようとして、よじのぼった折も折、意地悪く枝はぽきりと折れ、花環もろとも流れのうえに。すそがひろがり、まるで人魚のように川面をただよいながら、祈りの歌を口ずさんでいたという、死の迫るのも知らぬげに、水に生い水になずんだ生物さながら。ああ、それもつかの間、ふくらんだすそはたちまち水を吸い、美しい歌声をもぎとるように、あの憐れな牲えを、川底の泥のなかにひきずりこんでしまって。それきり、あとには何も。~ (ウィリアム・シェイクスピア著『ハムレット』 より引用)

不思議な運命によって宮廷に戻されたハムレットが目にしたものは、愛するオフィーリアの葬儀だった―

 父を殺され、恋するハムレットには遠ざけておくためにとはいえ冷たくあしらわれ、気が狂ってしまい花輪を作っている時小川に誤って落ちてしまったオフィーリア。しかし狂ってしまっている彼女はすぐそこに死が迫っていることに気づいているのかいないのか、そのまま穏やかに祈りの歌を口ずさみながら沈みゆく・・・。とても悲劇的で残酷でありながらも乙女の純真さと美しさを表現している絵画です。

気になったので比較してみます。

絵画『オフィーリア』からオフィーリアを切り抜き、大きさを揃えて並べてみました。シャーリーの体が少し見えにくいので色のコントラストを強調しています。

Ofi_kasanaru3

おお、やっぱり構図や倒れている角度が似ているぞ!(角度はそのままです。)

シャーリーとオフィーリアを重ねてみます。見えやすくするためにオフィーリアを少し透明にしてみました。

Ofi_kasanaru1 もう少し透明にしてみました。Ofi_kasanaru

かなり合致するーーーhappy02

これは、製作側が意図してあえてオフィーリアの構図に似せたんじゃないでしょうか?死がすぐそこに迫る中、祈りの歌を歌い続けたオフィーリア。同じく死が迫る中、ルルーシュへ永遠に変わらない愛を告げたシャーリー・・。綺麗になぞらえてきたんじゃないかと思います。
とはいえ真相は製作者にしか分かりませんが、とりあえずブログ主はそうじゃないかな、と思いましたhappy01

補足:シャーリーは水泳部だったり、1期12話のルルーシュとのキスシーンでは雨に濡れていたり、R2の12話の冒頭ではシャワーを浴びているシーンがあり、ギアスキャンセラーがかけられるシーンでも雨が降っていて、13話の死のシーンでは血の海に溺れるようなイメージ?ことごとく水に縁を持たせて描かれているように思えます。小川に沈んでいく『オフィーリア』をなぞって水のイメージを重ねていたのかもしれませんね・・。)  

 

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名前の由来

コードギアスに登場する人物の名前にはどんな由来があるのでしょうか?考察してみました!

ルルーシュ
主人公ハムレットの立場であるルルーシュ。名前の出所は「反逆」というタイトルの映画を撮った映画監督の名前、「クロード・ルルーシュ」より(製作者談)。

ナナリー
『ハムレット』の有名な台詞、「尼寺(ナナリー)へ行け!」より。ナナリーという言葉が尼寺のことらしいです。

ミレイ
『ハムレット』を題材にした絵画『オフィーリア』を描いた画家の名前。ミレイは物語の語り部的役割も担っているという製作者の言葉もあります。『オフィーリア』を描いたミレイが語り部的役割を担っているというのは納得がいきますね。学園でルルーシュ(ハムレット)とシャーリー(オフィーリア)のことを見てきただけに。

ユーフェミア(Euphemia)
兄を殺され、自身もギアスで狂わされ、亡くなってしまったユーフェミア。シャーリーと共にオフィーリア的な役割を担っています。画家ミレイの実在の恋人の名前です。 こちらがその「Euphemia」という女性です。

1793914

トマス・リッチモンド作「Euphemia(ユーフェミア)の肖像」
頭の両脇にクリームパンをつけたような髪型がユーフェミアの髪型と似ていますねhappy01。CLAMPがユーフェミアのキャラデザの参考にしてたりするんでしょうかね・・。

シャーリー
父を愛する恋人に殺されてしまい、自身も命を落としてしまう悲劇的なオフィーリアの立場であるシャーリー。ユーフェミア→エイミー→シャーリーと名前の案は変化したそうです。オフィーリア的立場のキャラクターはユーフェミアとシャーリーに分かれたんでしょう。
名前の出所は『赤毛のアン』の主人公、「アン・シャーリー」でしょうかね。ブログ主がそう思った理由は、『赤毛のアン』の中にシェイクスピアの作品から引用したフレーズがいくつも出てくるという事実と、最終的に赤毛のキャラデザになったことから名前をとったのかなと。その引用の中には『ハムレット』からの一節もあるそうです。★「赤毛のアンに隠されたシェイクスピア」(著・松本侑子)という本がありますので、興味のある方は見てみてください。

 

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『ハムレット』とコードギアス

コードギアスの1期のテーマがシェイクスピアの『ハムレット』ということは製作側も明らかにしていますし、割りと知られていると思います。1話でルルーシュが読んでいた本が『ハムレット』です。(ちなみに二期テーマはダンテの『神曲』といわれています。)

『ハムレット』とは?

~『ハムレット』(Hamlet)は、シェイクスピア作の悲劇。5幕で、1600年から02年のころに書かれたとされる。正式名称は、「デンマークの王子、ハムレットの悲劇」。4000行を超える、シェイクスピア作品中、最大規模の戯曲である。デンマーク王子ハムレットが、父を殺し母を奪い王位を簒奪した叔父を討ち復讐を果たす。シェイクスピアの四大悲劇の一つ。コールリッジによる「悩める知識人」像が一般的だが、近年では「行動人」という解釈も有力。
ハムレットの話は、同時代にトマス・キッドが『スペインの悲劇』という似た話を書いており、少なからずその影響を受けたといわれている。また、この話は北欧伝説が下敷きになっており~(出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』)

詳しくはWikipediaの『ハムレット』の項みてください。簡単なあらすじも載っています。

さて、これだけでも興味深いことがいくつもありますね。


まず、簡単にいうと「父を殺された主人公である王子ハムレットが果たす復讐と巻き起こる悲劇」という話ですが、母を殺され復讐に燃える皇子ルルーシュはハムレットそのものと言えますね。

そして、~「悩める知識人」像が一般的だが、近年では「行動人」という解釈も有力。~というのもおもしろいですね。製作側のコメントによると、ルルーシュは何かあっても立ち止まらず前に進む人間。確かに各所で立ち直りが早すぎるといわれる程なにがあっても前に進んでます。1期でもR2でも、耐え難い自体が起きてもルルーシュは落ち込んだまま立ち止まっているのではなく必ず何かしら行動を起こしていますね。コードギアスというのは『ハムレット』の近年の解釈を採用したものなんですねw。

また、この話は北欧伝説が下敷きになっており
北欧伝説=北欧神話ですかね。コードギアスには北欧神話からとったと思われる名称のものがいくつか出てきます(ラグナレク・フレイヤ・ヴァルキリエ隊・他など)が、『ハムレット』自体が北欧神話を元にしたという説もあったとは、おもしろいですね。

wikiの北欧神話の項からいろいろたどっていくとキャラ設定などいくつでも共通点などが見つかっておもしろいので興味のある方は見てみるといいと思います。

 

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